ほとけを支える ― 蓮華・霊獣・天部・邪鬼 ―

実は大事な「支えるもの」

秋の根津美術館は「支えるもの」がテーマ。ほとけの台座(蓮台)である「蓮華」、菩薩が乗る「霊獣」など、館蔵の仏教美術の優品から、ほとけを支えるものの表現と意味を考察します。

  • 重要文化財《金剛界八十一尊曼荼羅》鎌倉時代 13世紀
  • (左奥から)《釈迦三尊十六羅漢像》南北朝~室町時代 14~15世紀 / 《釈迦三尊像》南北朝時代 14世紀 / 《仏涅槃図》南北朝時代 14世紀
  • (左奥から)《尊勝曼荼羅》鎌倉時代 13世紀 / 《厨子 ─ 大日金輪・不動明王・愛染明王》鎌倉~南北朝時代 14世紀
  • 重要美術品《隆三世明王・大威徳明王(五大尊より)》鎌倉時代 13世紀
  • 《梵天・帝釈天・火天・水天(十二天像より)》室町時代 15世紀
  • (左奥から)《魚籃観音像》江戸時代 17世紀 / 《岩上観音像》南北朝時代 14世紀
  • (左奥から)重要美術品《金剛薩埵像》鎌倉時代 13世紀 / 重要文化財《法勝寺愛染明王像》鎌倉時代 13世紀
  • (左奥から)《文殊菩薩像》鎌倉時代 14世紀 / 重要文化財《釈迦如来像》鎌倉時代 13世紀
  • 重要文化財《大日如来像》平安時代 12世紀

仏画や仏像など仏教美術を見る際に、まず目に入るのは、ほとけさま。ただ今回は、ほとけさまを「支えるもの」に着目していただきます。

実は、ほとけの名前や意味を知る手がかりとして「支えるもの」は、かなり重要。何によって支えられているか、何に乗っているかは、ほとけを知る上で大きなポイントとなります。

展示室1・2


では、実際の作品で見ていきましょう。

《釈迦三尊像》で釈迦が座っているのは蓮華座。濁った泥から出て美しい花を咲かせる蓮華は、仏教を象徴する花です。脇侍が乗っているのは獅子と象なので、両者は文殊菩薩と普賢菩薩という事がわかります。

邪悪や邪教を象徴する鬼を踏みつけて立つのは、仏教の守護神である四天王。展示されている像は毘沙門天です。

「ほとけを支える」


ヒンドゥー文化を取り入れて成立した密教。ほとけの種類が多い密教では、ほとけを識別する上で、尊像を支えるものの重要性はますます高くなります。

獅子があしらわれた鳥獣座(蓮台を動物の上に乗せたもの)に座るのは、密教の教主である大日如来。梵天や帝釈天など12尊の守護神に台座にも、動物が使われる例が見られます。

「密教のほとけを支える」


本展の主役といえるのが、重要文化財《金剛界八十一尊曼荼羅》。天台密教の美しい彩色曼荼羅ですが、見ていただきたいのは、ほとけさまが座っている鳥獣座です。

中央の大日如来が座るのは、七頭の獅子が支える蓮華座。周囲の四尊の蓮華座には、有翼の象・有翼の馬・迦楼羅(かるら:伝説の巨鳥)・孔雀。さらに四尊が隣接する場所の如来や菩薩も、同じ種類の鳥獣座に座っています。台座の種類を見る事で、ほとけのグループが把握できます。

重要文化財《金剛界八十一尊曼荼羅》


いつもと違った目線での、仏教美術鑑賞。新しい発見をお楽しみください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年9月13日 ]

TOKYO美術館 2017-2018TOKYO美術館 2017-2018

 

エイ出版社
¥ 1,296


根津美術館 ほとけを支える に関するツイート



 

ミュージアムの詳細

展覧会の詳細

会期

2017年9月14日(木)~10月22日(日)