あこがれ アルフォンス・ミュシャに魅せられた人々

「ミュシャ展」から里帰り

アール・ヌーヴォーを代表する芸術家、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)。優美な作品は世界中の美術ファンに愛されていますが、大規模なコレクションが大阪・堺市にある事はあまり知られていないかもしれません。ミュシャに魅了された人々の視点をたどる展覧会が開催中の、堺 アルフォンス・ミュシャ館をご紹介します。

  • (右手前から)《春・四季(1896年)》 / 《夏・四季(1896年)》 / 《秋・四季(1896年)》 / 《冬・四季(1896年)》すべて 1896年 リトグラフ、紙 堺市蔵
  • (左手前から)《10月:絵葉書》 / 《11月:絵葉書》 / 《12月:絵葉書》すべて 1900年 リトグラフ、紙 堺市蔵
  • 《クオ・ヴァディス》1904年 油彩、カンヴァス 堺市蔵
  • 《ウミロフ・ミラー》1903-04年 油彩、カンヴァス 堺市蔵
  • (左手前から)《『主の祈り』10頁 御心が行われますように 天におけるように地の上にも》 / 《『主の祈り』13頁 わたしたちに必要な糧を 今日与えてください》ともに 1899年 リトグラフ、紙(書籍) 堺市蔵
  • (左から)《ハーモニーの習作》1908年 パステル、紙 / 《ハーモニー》1908年 油彩、カンヴァス ともに堺市蔵
  • (左奥から)《装飾図案の習作》1897-98年 鉛筆、紙 / 《モナコ・モンテ=カルロ》1897年 リトグラフ、紙 ともに堺市蔵
  • (左奥から)《岩に座る裸婦》1898年 ブロンズ / 《ラ・ナチュール》1899-1900年 ブロンズ、アメジスト ともに堺市蔵
  • 3階には複製画の展示のほか、体験型のデジタルコンテンツも。

独創的な作品で、同時代の作家からも支持を集めたミュシャ。本展は「時代のミューズ」「ミュシャとその時代」「ミュシャと日本人」の3章で、ミュシャと周辺作家の作品を紹介し、改めてミュシャの作家像を見つめなおす企画です。

まずは第1展示室から。大女優のサラ・ベルナールとの出会いから一躍スターダムに躍り出たミュシャ。アール・ヌーヴォーの指針となった「ミュシャ・スタイル」は、19世紀末のパリを席巻しました。

会場には出世作の《ジスモンダ》をはじめ、代表作がずらり。大型の歴史画《クオ・ヴァディス》、暖炉を飾るために描かれた《ウミロフ・ミラー》と、油彩の大作も至近距離で堪能できます。

4階・展示室1


続いて第2展示室へ。ここで展示されている大作《ハーモニー》は、堺 アルフォンス・ミュシャ館の目玉のひとつ。約60年も所在が分からなくなっていた作品で、習作とともに紹介されています。

鑑賞中に気がついたのが、光沢があるポスター。ミュシャのポスターには描かれているモチーフに光る加工がしばしば見られます。角度を変えて見る事で、光を受けたその輝きの効果が良くわかります。

最後に紹介されているのが土居君雄氏。「カメラのドイ」で知られる株式会社ドイの創業者である土居君雄氏はミュシャの作品を愛し、積極的に作品を収集。ミュシャの息子・イジー氏の協力も得て世界有数のミュシャ・コレクションとなり、その後堺市に寄贈されて、堺 アルフォンス・ミュシャ館として結実しました。ミュシャに魅せられた土居氏がいたからこそ、堺でミュシャ作品を楽しむ事ができるのです。

4階・展示室2


3階の展示室もご紹介しましょう。堺 アルフォンス・ミュシャ館は4階と3階に展示室があり、企画展が開催されている4階に対し、3階では複製画などを展示。アール・ヌーヴォー調の家具も用意されており、ミュシャ関連書籍を自由に閲覧する事ができます。

体験型のデジタルコンテンツもあり、作品の検索や、細部を鑑賞できる「見どころ虫眼鏡」のほか、ミュシャ作品のパーツを拡大・縮小して自由にレイアウトできるメニューで、小さな子どもでも楽しめそうです。

3階の展示室


今春、国立新美術館で開催されたミュシャ展は大変な話題となりましたが、展覧会の後半で展示されていた作品は、その多くが堺市の所蔵。

堺 アルフォンス・ミュシャ館は今年2月~6月末まで施設改修のため休館しており(再オープンを飾るのが本展です)、休館中に東京のミュシャ展に出展されていた、という事です。

多くのファンでにぎわった東京ではゆっくり見られなかった方は、ぜひ堺まで。JR「堺市」駅から2Fデッキで直結、容易にアクセスできます。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年7月21日 ]

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ミュージアムの詳細

展覧会の詳細

会期

2017年7月1日(土)~11月5日(日)