六本木開館10周年記念展 絵巻マニア列伝

絵巻への熱き想い

2007年3月末、赤坂見附から東京ミッドタウンに移転したサントリー美術館。移転10年というメモリアルイヤーは、絵巻にスポットを当てた企画からスタートです。天皇・皇族・公卿・将軍・老中…立場は違えども、絵巻への熱き想いは、まさに「マニア」です。

  • (左奥から)重要文化財《矢田地蔵縁起絵巻》京都・矢田寺[全期間展示] / 重要文化財《駒競行幸絵巻》和泉市久保惣記念美術館[展示期間 3/29~4/10]
  • (右手前)重要文化財《病草紙断簡 不眠の女》サントリー美術館[全期間展示] / (左奥)重要文化財《病草紙断簡 頭のあがらない乞食法師》九州国立博物館[展示期間 3/29~4/10]
  • (手前)《九相図巻》個人蔵[展示期間 3/29~4/17] / (右奥)重要文化財《駒競行幸絵巻》和泉市久保惣記念美術館[展示期間 3/29~4/10]
  • (手前)《管見記 巻五 紙背文書》宮内庁書陵部[展示期間 3/29~4/10] / (奥)重要文化財《後常瑜伽院御日次記抜書 上(応永四年~二十五年記)》京都・総本山 仁和寺[全期間展示]
  • (手前)《看聞日記 巻三十六(嘉吉元年四月~六月記)〔複製〕》明治大学図書館[全期間展示]/ (奥)《後花園院御文類 巻三》宮内庁書陵部[全期間展示]
  • (左奥から)《天稚彦物語絵巻 巻下》サントリー美術館[全期間展示] / 重要文化財《芦引絵 巻四》公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館[全期間展示]
  • (左奥から)重要文化財《酒伝童子絵巻》サントリー美術館[全期間展示] / 重要文化財《石山寺縁起絵巻 巻四》滋賀・石山寺[全期間展示]
  • (左奥から)重要文化財《桑実寺縁起絵巻 巻下》滋賀・桑實寺[全期間展示] / 県指定文化財《長谷寺縁起絵巻 巻二》奈良・長谷寺[展示期間 3/29~4/17]
  • (左奥から)《古画類聚 兵器 三十一》東京国立博物館[全期間展示] / 《古画類聚 肖像人物服章 七》東京国立博物館[全期間展示]

文学と美術を融合させた絵巻。日本で独自の発展を遂げた絵巻は、美術ファンに人気があり、特定の絵巻を中心にした展覧会は過去に何度も開かれています。

そもそも絵巻は手に取って、開きながら読み進めるもの。鑑賞者との距離が極めて近いメディアのはずですが、残念ながら今は展示ケースの中で眺めるしかありません。

ならば絵巻に想いを寄せた人に着目して、その想いを掘り下げる事で、絵巻と鑑賞者の距離を縮めよう、というのが本展の意図。絵巻だけでなく日記や目録などの関連資料も紹介しながら、「絵巻マニア」の心に迫ります。

会場は「絵巻マニア」別で、序章の後白河院から。蓮華王院(本堂は三十三間堂)の宝蔵に多くの絵巻を納めました。

第1章は花園院。高階隆兼(たかしなのたかかね)はこの時代に活躍し、独特の絵巻様式を生み出しました。

序章「後白河院」、第1章「花園院」


第2章は後崇光院・後花園院父子。後崇光院の日記には、絵巻の貸し借りや制作について、数多くの記述がみられます。

第3章は三条西実隆。公喞で文化人だった実隆は、「桑実寺縁起絵巻」ではチーフプロデューサー的な役割を果たしました。

第2章「後崇光院・後花園院 父子」、第3章「三条西実隆」


第4章は足利将軍家。京都に幕府を開いた足利家は、武家でありながら貴族の側面も。絵巻は文化的な資質を示すためのツールとして用いられました。

そして終章は松平定信。寛政の改革を主導した倹約志向の老中ですが、実は無類の絵巻好き。「古画類聚」は絵巻などから当時の風俗や調度などを抜き出して編纂しました。

第4章「足利将軍家」、終章「松平定信」


撮影の制限もあって、アップで作品をご紹介できないのが残念ですが、展示作品は国宝や重要文化財も数多く含まれる一級品ばかり。かなり見ごたえがあります。

細かな展示替え・場面替えがありますので、出品期間は公式サイトの出品作品リストでご確認ください。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年3月28日 ]

すぐわかる絵巻の見かた すぐわかる絵巻の見かた

榊原 悟 (監修)

東京美術
¥ 2,160

料金一般当日:1,300円
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会期

2017年3月29日(水)~5月14日(日)