草間彌生 わが永遠の魂

国民的な現代美術家

世界を舞台に活躍を続する前衛芸術家、草間彌生さん(1929-)。美術に関心が無い方も含めて、その知名度は圧倒的といえる存在です。国立新美術館の開館10周年として開催される本展では、最新作「わが永遠の魂」シリーズを含め、活動の全貌を俯瞰します。

  • 第1部「21世紀の草間彌生」
  • 第1部「21世紀の草間彌生」
  • (左から)《残骸のアキュミレイション(離人カーテンの囚人)》1950年 / 《集積の大地》1950年
  • (左から)《No.X》1960年 / 《No.PZ》1960年
  • 《死の海を行く》1981年
  • (左から)《一億光年の星屑》1989年 / 《よみがえる魂》1995年
  • 草間さんの著作
  • 《最後の晩餐》1981年
  • 《黄樹リビングルーム2017》2017年

世界中で展覧会が開催されている草間彌生さん。近年の展覧会は、この項でも2011年の「ボディ・フェスティバル in '60s 展」(ワタリウム美術館)、2012年の「永遠の永遠の永遠」(埼玉県立近代美術館)、2013年の「わたし超スキッ!!」(軽井沢ニューアートミュージアム)などをご紹介してきましたが、今回は質・量ともに過去最大級の草間彌生展となりました。

展覧会は大きく二つに分かれており、まずは2000年以降の近作を紹介する第1部から。草間さんが2009年から取り組んでいる大型絵画シリーズ「わが永遠の魂」から厳選した作品約130点が、一挙に公開されています。

画面に描かれているのは目や顔など具体的なモチーフもあれば、アメーバ?細胞?シダ植物?のように見える不思議な形態までさまざま。展示室には色彩が洪水のように溢れています。

開幕前日の報道内覧会にはご本人も登場。1929(昭和4)年生まれの草間さんは会期中に88歳を迎えましたが、カメラマンの注文に応える元気そうな仕草も印象的でした。

第1部「21世紀の草間彌生」


草間さんのこれまでの歩みを展観するのが第2部。「初期作品」「ニューヨーク時代 1957-73」「帰国後の作品」と時間軸に沿って紹介されていきます。

草間さんは松本市生まれ。幼少期から幻覚に由来するイメージを描き、京都市立美術工芸学校(現:京都市立銅駝美術工芸高等学校)を卒業後は自宅で制作に没頭。本展にも、実家(種苗業)で使われていた麻袋を支持体にした作品も展示されています。

美術評論家の瀧口修造にも認められ東京で個展を開催しますが、ジョージア・オキーフへの憧れから渡米を決意。それまでの作品を焼き捨てて1957年に米国に渡ります。

米国では布製の突起物を用いたソフト・スカルプチュアの作品や、「ハプニング」と呼ばれたパフォーマンス・アートで注目を集めますが、精神的にも肉体的にも疲弊して1973年に帰国。しばらくは入退院を繰り返しました。

日本では小説も執筆。80年代後半から大規模な個展が内外で開催されるようになり、国際的な評価は不動のものとなりました。

第2部「21世紀の草間彌生」


理解しにくいと言われる現代美術の中で、国民的な人気を誇る草間彌生さん。これほど注目を集める現代美術家は、おそらく岡本太郎以来でしょう。展覧会には4月21日の段階で既に30万人が来場しています。東京展のみで、巡回はありません。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年2月21日 ]

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ハースト婦人画報社 (編集)

ハースト婦人画報社
¥ 1,780

料金一般当日:1,600円
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ミュージアムの詳細

展覧会の詳細

会期

2017年2月22日(水)~5月22日(月)