岡田美術館が開館

箱根の新名所は、驚愕の巨大美術館

2013年10月4日、箱根・小涌谷に新しいミュージアムが誕生しました。近世・近代の日本画と東アジアの陶磁器を中心に、東洋の美が一堂に会した美術館です。

  • 巨大な風神と雷神が見える外観。この向かい側に足湯があります
  • 小林忠館長と、建物を手がけた建築家の三浦慎氏
  • 館内
  • 《青花花唐草文盤 景徳鎮窯》明時代 永楽年間(1403~24)(左手前)
  • 《五彩百蝠文壺》明時代 万歴年間(1573~1620)(左手前)
  • 《法花琴棋書画文壺 景徳鎮窯》明時代 15~16世紀(右手前)
  • 福井江太郎《風・刻》を解説する、小林忠館長

箱根駅伝では山の神が激走する、国道1号線の急勾配。TV中継でもよく映る箱根小涌園ユネッサンのすぐ向かいに開館したのが、岡田美術館です。

美術館は遊技機などの開発・製造・販売を手掛ける株式会社ユニバーサルエンターテインメントが運営。同社会長である岡田和生氏が蒐集した日本・東洋の美術品を所蔵しています。

敷地に入ると、まず目に入るのは建物の外側から見える大きな風神と雷神。作品は現代日本画家の福井江太郎さんによる《風・刻》で、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」をモチーフに、縦12m×横30mという巨大スケールで描きました。

建物の向かい側には足湯も設置。温泉地である箱根ならではの楽しい企画です。ここで飲み物を飲みながら、巨大壁画を楽しむことができます。


外から見た美術館と、向かい側の足湯

館内は5層構造。建物に入った後は巨大壁画の前を通って1階展示室に入り、エスカレーターで2階~5階まで進む動線です。

作品を効果的に見せるため床・壁・天井は黒く、照度を落とした展示室。ケース内の作品がLEDで浮かび上がる様は、どことなく根津美術館に雰囲気が似ています。

ただ、館内はずっと広大。展示面積は根津美術館が1,288㎡、サントリー美術館は約1,000㎡ですが、岡田美術館はなんと4,995㎡。そのスケールの大きさがお分かりいただけるしょうか。


広々とした館内。こちらは1階

展示室が大きいので、展示ケースもロングサイズです。一般的な美術館の展示ケースは200m程度ですが、岡田美術館は述べ700m。私設の美術館としては日本最大級です。

展示ケースには各所にタッチパネル式のPCも設置されています。日・英・中・韓の4カ国語での解説に加え、こども向けの解説があるところも。作品への理解を深めるため、今後もさらに充実させる予定です。


展示ケース脇の、タッチパネルPC

年内いっぱいは、開館記念展「日本・東洋 美の遺産展」が開催中(2013年12月30日まで)。本稿では1階の「中国の陶磁・青銅器、韓国の陶磁」しか撮影できませんでしたが、むしろ見どころは2階から先です。3階には狩野派、長谷川派、琳派などの屏風。4階には若冲、与謝蕪村の軸物、歌麿や北斎の肉筆浮世絵、大観、春草、松園らの近代日本画までが並ぶ豪華な構成です。

箱根には必見のミュージアムが何カ所もありますが、またひとつ注目スポットが加わりました。本格的な秋の散策シーズンを前に、大きな話題を呼びそうです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年9月27日 ]

すぐわかる琳派の美術

仲町 啓子 (監修)

東京美術
¥ 2,100

 

ミュージアムの詳細

会期

2013年10月4日開館